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世界三大レザーのひとつイタリアンレザー

イタリアンレザーとは世界三大レザーのひとつ

イタリアンレザーは、主にイタリアで生産されたヌメ皮を指す。
イタリアでは古くから鞣しの技術が発達しており、鞣しの技術をもとにした皮産業が発展してきた。
生産量こそ世界首位クラス程多いというわけではないが、一方でそのクオリティーの高さもあり、革業界では語るのに外せないほどの人気の商品のひとつとなっている。
現在ではイタリアンレザーはイギリスのブライドル、アメリカのコードバンと合わせて世界三大レザーのひとつとなっているほどだ。

イタリアンレザーが愛される理由の一つに、経年劣化の美しさがあります。
最初は毛羽立っていて違和感を感じるかもしれないが、使用し続けている中で少しづつ落ち着いていき、滑らかな手触りに変化していくのだ。
経年劣化のあらわれ方は人によって異なり、自分に合った質感に育てやすい点もまた魅力ではないだろうか。

イタリアンレザーの歴史は古代まで遡る

イタリアンレザーの歴史は、古代ローマ帝国の時代から確認できる。
ローマ帝国は強大な軍事力を保有し、周辺諸国に強い影響力を有していたが、そんなローマ帝国軍の中枢を担う歩兵の装備に皮が大量に使用されていたのだ。
軍需の影響もあり、ローマ帝国は皮産業が活発化し、今日の発展の基礎ができたという説がある。

13世紀ごろになると皮革労働組合が結成され、厳格な品質管理を通して国際競争力が向上してきた。
また、ルネサンスの時代には芸術の都ともいわれるフィレンツェで革製品が広く流通した。
政府のバックアップあり加工技術も大幅にアップするが、イタリアンレザーで特徴的なタンニンの鞣しが行われるようになったのもこのころと言われている。

産業革命により、革製品の需要は一気に拡大する。
第一次世界大戦、第二次世界大戦の復興に伴う経済発展もまたイタリアの皮産業を成長させる契機となった。
かねてより、生活苦から逃れるために兼業で職人形をする人がたくさんいた。
兼業先のひとつに革製品があり、地域ごとにタンナーいう鞣し工場が作られてきたのだ。

素材の特徴

イタリアンレザーは生産地域によって素材が少しずつ異なっており、ある地域では靴向けの皮が作られていたり、またある地域では家具用の皮が作られている。
アルノ川周辺はイタリアの中でも一大生産拠点のひとつで、皮の首都という異名もあるほどだ。

イタリアンレザーは、ヨーロッパの土地でのびのび育った牛を原皮に利用している。
鞣しに使用するのはタンニンという植物で、地中海周辺で良く育つ植物が活用されている。
良質な原皮・鞣し材を活用した、柔らかくしなやかなヌメ皮となっているのだ。
使い込むほど馴染んでくれるし、色も少しずつ変わっていくので、経年変化による色彩変化を楽しめるのも魅力のひとつだ。