コードバンとは
コードバンは馬皮の一種で、馬の尻の一部分の革から作られてる。
主に食肉用の馬の臀部から採られており、皮膚組織のコードバン層という層から取り出される。
コードバン層は外敵から守るためにできたという説があり、したがって、外敵に襲われる可能性が低いサラブレッドや家畜の馬などはコードバン層が退化していることもあるらしい。
コードバン層は非常に薄く、その点で希少性が高いうえ、薄い組織を精密に切り出すには熟練した技術が必要だ。
取り出せたとしても、一枚の面積が小さい場合がほとんどなのだ。
希少性・切り出しの難易度の高さから、宝石採掘に例えて「皮のダイヤモンド」と言われているほどだ。
世界的に取り扱っている業者は多くないが、日本にもコードパンの生産に携わっている業者はある。
稀少価値が高くなった歴史
自動車や機械が普及する前は、移動手段や農耕手段として馬の力は頻繁に活用されていた。
時代が進むにつれて生活圏内での人と馬のかかわりは減っていき、馬皮製品の原料を確保することが難しくなってきた。
牛や豚と異なり、馬は食肉の文化としても多くなく、馬皮はどんどん希少価値が高くなってきたという背景がある。
原材料となる馬の数が減っているうえ、部位としても稀少なコードバンはとりわけ価値が高いものとして取り扱われているのだ。
日本でも製造を行っている企業はあるが、希少な原料は各国のメーカーにわたり、コードバンが製造されている。
海外に馬肉を食す文化のある国はあるものの、馬皮の消費量に追い付くものではなく、希少性をなくすほどではない。
むしろ馬皮の需要増大に伴って、今後どんどん価値が上がっていく可能性もあるほどだ。
コードバンの2つの特徴
コードバンの中でも、オイルコードバンや顔料仕上げコードバンなど、いくつかの種類に分類できる。
オイルコードバンは内部にオイルを浸透させた仕上がりが特徴で、つやを出すために仕上げの際に圧力がかけられている場合が多くなっている。
オイルの浸透により、折り曲げに対する耐性向上が図られているのだ。
オイルコードバンの特徴として、水分に弱いことがあげられる。
したがって、汗や雨などで表面が塗れてしまうと、光沢が失われてしまう可能性がある。
顔料仕上げコードパンは、現皮を加工し表面に顔料を乗せた仕上がりが特徴的だ。
耐久性・耐水性に優れており、その秘訣は浸透させるオイルをできる限り減らしている点にある。
また、耐水性は表面の顔料塗布に由来している。
主に使用されているのはランドセルで、多少手荒に扱っても6年間十分に耐えうる素材として活用されている。
人工皮革や牛革のランドセルも悪くないが、6年間の特別な使用を考えると、ぜひコードバンのランドセルを検討してみてほしい。