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白く浮き出るブルームが特徴のブライドルレザー

ブライドルレザーとは馬具用の革製品

ブライドルレザーは、明確に定義されているわけではないが、主に馬具用に作られたベルト状の皮を指す。
ブライドルは馬具を意味しており、張りがあって耐久性が高く、非常に硬い素材であるのが特徴だ。
主に英国産のブライドルレザーには、ブルームという油脂成分が噴出しているのが特徴的だ。
英国特有の気候から素材を守るために施された加工である。

ブライドルレザーは、人間が馬に乗り出した時期から開発が続いている。
乗馬中に皮が切れたら落馬事故による大怪我のもとで、したがってブライドルレザーは、強い負荷にも耐えうる耐久性が重視されているのだ。
イギリスでは2000年前の製法が今の製造方法のもととなっていると言われており、今日まで技術が伝承されている。
作り方は門外不出で、伝統的製法によるブライドルレザーを作れる業者は数社しかないらしい。

乗馬に由来する歴史

人が馬に乗るようになったのは、約4000年前と言われている。
19世紀までたくさん生産されていたが、20世紀初頭、自動車や鉄道が発達するに伴って生産量が減少してきた。
長い歴史の中で改良が進み、その技術は今でも生産を支える基盤技術となっている。

イギリスのブライダルレザー最盛期、特に生産が盛んだったウォルソールという町がある。
ブライドルレザーの聖地ともいわれているこの町は、バーミンガムから電車で北に20分ほど行ったところにあるそうだ。
いまでも生産拠点のひとつとして、世界的な馬具メーカーなども進出している。

ウォルソールの駅からさらに20分ほど歩いたところにブライドルレザーの博物館が立地しており、中では馬具を製造する様子が写真などを通して知ることができる。
ミュージアムショップが併設されており、関連書籍やブライドレザー製品などが販売されている

ブライドルレザーの特徴はブルームと耐久性の高さ

ブライドルレザーの代表的な特徴のひとつに、ブルームのほかにも耐久性の高さが挙げられる。
乗馬の激しい動きにも耐えうる設計なので、特に型崩れしにくいのが特徴だ。
牛の中でも特に丈夫な部分が用いられており、原料の面からも丈夫なつくりとなっている。

皮の表面には蝋加工が施されており、これはブルームの由来にもなる加工で、耐水性が高めらえる効果もある。
多少の雨や汗などでも傷みにくくなっているし、耐久性の高さから、長く使えばその分味が出るのも特徴だ。
使い続ける中でブルームが落ちて、つやが出てくるので、経年変化の過程もまた楽しめるだろう。

布などで磨くことで光沢が一層増し、素材の美しさを味わえる。
部位によって等級が設けられているので、事前に把握していれば購入時の参考になるのではないだろうか。